【IATF16949攻略】8.3.6.1:設計開発の変更-補足の要求事項徹底解説!

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の要求事項は、設計開発段階を含むすべての変更に関して、変更ルールの適用を要求しているのが特徴です。

ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の強化版ととらえることが可能です。

今回の記事は、IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。


この記事の実務解説
QMS認証パートナー
専属コンサルタント

H.Minamino

製造業25年・自動車業界15年以上の実務経験

IATF16949・ISO9001・VDA6.3を、現場で使える形に落とし込む視点で解説しています。

規格要求事項の解釈だけでなく、審査で説明できる規定づくり、現場で使える帳票、内部監査・顧客監査への対応まで、実務で迷いやすいポイントを中心に整理しています。

専門領域
IATF16949・ISO9001・VDA6.3
得意分野
規定・帳票・監査対応の実務化
支援内容
教材提供・メール相談・個別コンサル

「この解釈でよいのか」「自社の規定や帳票にどう反映すればよいのか」と迷った場合は、QMS認証パートナーの教材・相談メニューもご活用ください。


相談メニューを見る

第8章:運用(8.1~8.3.6.1)についての「要求事項リスト」はこちら
ISO・IATF 8章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善

※8.1項~8.3.6.1項は主に、①営業プロセス②製品設計プロセス③工程設計プロセスが関係します。

条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
8.1 運用の計画及び管理
8.1.1 運用の計画及び管理-補足
8.1.2 機密保持
8.2.1 顧客とのコミュニケーション
8.2.1.1 顧客とのコミュニケーション-補足
8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化
8.2.2.1 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足
8.2.3.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー
8.2.3.1.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー補足
8.2.3.1.2 顧客指定の特殊特性
8.2.3.1.3 組織の製造フィージビリティ
8.2.3.2 題目無(レビュー結果の保持ルール)
8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更
8.3.1 製品及びサービスの設計・開発
8.3.1.1 製品及びサービスの設計・開発-補足
8.3.2 設計・開発の計画
8.3.2.1 設計・開発の計画-補足
8.3.2.2 製品設計の技能
8.3.2.3 組込みソフトウェアを持つ製品の開発
8.3.3 設計・開発へのインプット
8.3.3.1 製品設計へのインプット
8.3.3.2 製造工程設計へのインプット
8.3.3.3 特殊特性
8.3.4 設計・開発の管理
8.3.4.1 監視
8.3.4.2 設計・開発の妥当性確認
8.3.4.3 試作プログラム
8.3.4.4. 製品承認プロセス
8.3.5 設計・開発からのアウトプット
8.3.5.1 設計・開発からのアウトプット-補足
8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット
8.3.6 設計・開発の変更
8.3.6.1 設計・開発の変更-補足

当サイトの情報提供スタンスについて

当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています

規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。

記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の意図はリスク低減活動!

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の要求は、ISO9001の要求をさらに具体的かつ強化版としているのが特徴です。変更に関するリスク分析(設計FMEAの改定要否検証を含む)を行い、必要に応じた妥当性確認が求められます。

また、変更の許可は社内及び顧客に対して得ることも明確に記載されている点も注意が必要です。次に、IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の要求事項について詳しく見ていきましょう。

変更に関するリスク分析が必須!

IATF:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足②

設計変更は製品の競争力を高める一方で、品質や安全性を損なうリスクを伴います。そのため、IATF16949では初回の製品承認(PPAP)後に適用される変更管理として明確に規定されています。

対象となるのは部品や工法といった「4M変更」だけでなく、組込みソフトウェアも含まれます。自動機の制御ソフト更新やバージョン変更も管理対象に含めることを忘れてはなりません。

リスク分析:設計FMEAまで遡り必須!

IATF16949では、設計変更に伴いリスク分析を必ず行うことが求められます。具体的には、設計FMEA(DFMEA)の改定要否を検討し、必要であれば改定を実施します。変更が顧客や工程へ与える影響を明確化した上で、形状・機能・性能・耐久性に関する潜在リスクを妥当性確認で検証することが不可欠です。

●取付け時の合い:部品の寸法や形状変更による組付け性や干渉の確認。
●形状と機能:他部品との整合性や設計意図を満たすかどうか。
●性能と耐久性:寿命や信頼性への影響、耐久試験や性能試験での検証。

変更の承認がなければ変更を実施できない!

変更の許可を得るために、必要な妥当性検証(IATF:8.3.4.2項の設計開発の妥当性確認参照)を行う必要があります。FMEAの中でハイリスクと判断した内容を中心に、妥当性確認を実施し、それらの結果を基に社内承認及び必要に応じた顧客承認を得て晴れて変更の実施が可能になります。もちろん変更の承認は、業務・職位分掌表で定められた役職者が行います。

顧客への通知漏れは一発不適合!

顧客の変更許可については、SQM(仕入先品質マニュアル)などに申請レベルが記載されていることが多いため、見逃し厳禁です。審査や監査で顧客の許可なく設計変更が行われている事象が発見された場合、重大な不適合になるので注意してください。これは顧客への影響度が大きいためです。
●だまてん
●サイレントチェンジ
・・・
そんなことやっていませんか?よーく確認してくださいね!

ISO9001・IATF16949・VDA6.3は、条文の理解と「自社業務への落とし込み」は別物です。文書化や運用判断で生じる迷いを、内部監査・仕入先監査の抱負な実務経験をもつ立場から個別に整理することが可能です!
〔初回メール相談はこちら〕

変更は組込みソフトウェアも対象

部品や設備・工法といった4M変更については変更の対象としている企業がほとんどですが、ソフトウェアの変更を忘れている企業が非常に多いです。例えば、自動機の制御に必要なソフトウェアをバージョンアップすることなども変更に該当するので、変更管理規定を作成する際は必ず対象にするようにしましょう。

ソフトウェアの変更も変更申請書が発行される仕組みの構築が求められます。

IATF:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足はどこに記載すればいい?

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足は、以下の要求事項と強い関係があります。

要求事項No. 題目
8.3.6 設計開発の変更
8.5.6 変更管理
8.5.6.1 変更管理-補足

それぞれの要求事項に対して変更プロセスを構築するのではなく、全てを含めた変更プロセスを構築することがポイントです。

「規定作成をどこから手を付ければいいか分からない」とお悩みの企業様必見!規格対応も、考え方やサンプルを参考に少しずつ整えられます。実務の規定〔IATF16949の規定サンプル〕で確認できます。

IATF16949:8.3.6.1に関するFAQ

規格対応でよく聞かれる悩み:FAQ

ISO9001やIATF16949、VDA6.3に取り組む中で、「審査対策として何を優先すべきか分からない」「要求事項に対する構築の考え方が整理できない」といったお客様の声は少なくありません。

また、社内にQMSを体系的に理解している担当者がいない場合や、外部コンサルの費用面で継続的な支援が難しいと感じるケースもあります。こうした悩みは、特定の企業に限らず、多くの現場で共通して見られるものとなっています。

【IATF16949:FAQ】

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更を実施する際、どのようなプロセスが必要ですか?

IATF16949:8.3.6.1項では、設計・開発の変更に関するリスク分析が必須とされています。リスク分析の結果に基づき、設計FMEAの改定が必要かどうかを確認し、社内および顧客の承認を得るプロセスを構築する必要があります。これにより、設計変更のリスクを最小限に抑え、安全かつ効率的に変更を行うことが可能です。
設計段階での変更についての言及は、プロジェクト管理規定に明記しておくことがポイントです!

顧客の承認が必要な設計変更にはどのように対応すべきですか?

顧客の承認が必要な設計変更は、変更の前に必ず妥当性確認を実施し、顧客から文書化された承認を得る必要があります。IATFでは、顧客の許可なく設計変更を行った場合、重大な不適合とみなされる可能性があるため、顧客との緊密な連携と承認プロセスが重要です。
顧客要望の変更を含め、量産移行後の変更については顧客から渡される仕入先品質マニュアルに明記されていることがほとんどです。

設計変更のリスク分析において重要なポイントは何ですか?

設計変更のリスク分析においては、変更が製品の形状、機能、性能、耐久性に与える影響を評価することが重要です。特に、設計FMEAの見直しが必要かどうかを判断し、潜在的なリスクを明確にした上で妥当性確認を行います。リスク分析に基づいて必要な検証を実施し、リスク低減策を講じることが求められます。

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足:まとめ

IATF:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足③

IATF16949:8.3.6.1項の設計・開発の変更-補足の要求事項における規格解釈はいかがでしたか?

「変更すること=改善されてよいこと」というのはナンセンスであり、変更におけるリスクを検証し、許可の立場にある方が承認した上でリリースすることが重要です。

また、文書化した情報例えば、図面・仕様書なども必要に応じて変更し、変更履歴を残すことが求められます。IATF16949では、これらに加えリスク分析及び妥当性確認及び承認プロセスについて厳しい要求があるので注意してください。

特に、顧客承認が必要な変更を許可なく実施した場合、重大な不適合となる可能性が非常に高いです。

それではまた!

本記事の内容を、自社の規定・帳票・教育に落とし込む!

IATF16949・ISO9001・VDA6.3は、要求事項を理解するだけでなく、現場で説明できる仕組みにすることが重要です。判断に迷う部分は個別相談で、資料を整えたい場合は教材・サンプルをご活用ください。

まず相談したい方へ
メール相談・個別コンサル監査対応、規格解釈、規定・帳票の考え方を実務目線で確認できます。


サービスを見る

自社で整備したい方はこちら学習教材、社内教育資料、規定サンプル、帳票サンプルを目的別にまとめています。


規格理解
IATF・ISO教材


社内教育
実践教材


規定作成
規定サンプル


記録整備
帳票サンプル


5大ツール
コアツール教材


VDA6.3
VDA6.3教材

品質マネジメントシステム構築・学習支援
QMS認証パートナー
ISO9001・IATF16949・VDA6.3 実務支援
規格理解で終わらせず、監査で説明できる仕組みへ。
記事で規格の考え方を理解しても、自社の規定・帳票・教育・監査対応に落とし込む段階で迷うことは少なくありません。QMS認証パートナーでは、規格解釈から仕組みづくり、社内教育、審査対応までを実務目線で支援しています。
迷ったら、実務者に相談できます
「この解釈でよいのか」「自社の帳票や規定にどう反映すればよいのか」と迷った場合は、目的に合わせて相談方法を選べます。