IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項は、自動車産業顧客固有の追加要求事項を含めた管理について意図しています。
今回の記事は、IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。
重要:【規定】No.8111_プロジェクト管理規定:IATF版はこちら
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①APQP:APQP作成ポイント解説
②コントロールプラン:帳票雛形から作成ポイント解説
③PPAP:PPAPプロセス構築解説
④FMEA:FMEA必須帳票事例と作成方法〜特殊特性まで解説
⑤MSA:ゲージR&R・クロスタブ法を事例帳票〜計算方法まで解説
⑥SPC:要求事項や物理的な意味まで完全網羅
目次
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足は8.3.5項の強化版
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足は、単純にISO9001:8.3.5項の強化版ととらえることができます。
特に、自動車産業顧客に対応した要求事項が増えていることに注目して構築することが求められます。
アウトプットの内容はタートル図:タートルチャートとリンクすることが求められます。
次に、具体的な要求事項について見ていきましょう。
a)完成した設計FMEA
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
設計FMEAは、AIAG発行のFMEAレファレンスマニュアルに基づいた構築が必要です。
それらに基づいて実施し、高リスクについての処置が必要になります。
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b)信頼性試験の結果
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
8.3.3.1のf)の信頼性目標についての結果のアウトプットのエビデンスが必要です。
また、信頼性試験は、妥当性確認ともリンクするので、8.3.4.2項の内容も併せて確認しましょう。
c)設計者指定の特殊特性の証拠
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
設計開発のアウトプット段階では、顧客指定の特殊特性(8.2.3.1.2項)と製品設計者指定の特殊特性が特定されている必要があります。
これは、設計FMEA(DFMEA)の中で特殊特性が明記されていることまた、特殊特性一覧表などで展開することを意図しています。
設計開発からのアウトプットから関連する書類(例えば図面など)には、特殊特性の付与が必須になるので注意してください。
【帳票のポイント】
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d)製品ポカヨケの検討結果
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
製品設計におけるポカヨケというのは、設計ミスによるポカヨケを意図しています。
これらの手法には、要求事項に記載されている手法を用いてもいいですが、必須ではありません。ただし、どのような手法を使用したかは必ず明確にしてください。
補足として以下に各内容がわかりやすく記載されているサイトを紹介しておきますので、参考にしていただくとよいでしょう。
記載内容 | 簡単な意味 |
DFSS | DFSS:Design For Six Sigmaという。 設計開発のためのシックスシグマという意味で、顧客の要求品質の徹底的な作りこみを開発・設計段階から行うものと定義されています。 【注意】 Cpk=1.67は4σレベルなので、6σはさらに厳しい要求です! |
DFMA | Design For Manufacture and Assemblyという。 製造、組立容易性設計の意味を表した略語です。製造容易性および組立容易性を考慮して設計することを意味します。 |
FTA | 故障の木解析(FTA:Fault Tree Analysis)とは、製品の故障、およびそれにより発生した事故の原因を分析する手法です。 |
e)製品定義
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
この意味は、製品形状などの製品の定義を3DCAD図などで構造定義をすることを意図しています。
一般的に使用される3DCAD図などを利用していれば特に問題ありません。
f)2D図面
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
e)同様で製品の定義に関係し、2D図に展開されていば担保できます。
g)DR議事録
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
これは設計開発段階DR(一般的にはDR2)の議事録やチェックリスト、移行審査OK・NG判定記録を残すことを意図しています。
インプットに対してアウトプットがチェックされていることが必要です。
当サイトでは、AIAGに基づく設計チェックリストを販売していますで、是非ご利用ください。
IATF:6.1.2.1項のリスク分析の基本対応はFMEA!コアツールの一つなので、しっかりとした構築が必須!特にDR段階でFMEAがしっかり部門横断的アプローチを用いてチェックされたかは、審査・監査で必須確認項目になっています。FMEAがチェックされたエビデンス(証拠)資料として使えるチェックリスト販売中!
h)トラブルシューティング
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
販売後に故障原因や修理に関するトラブルシューティングが必要な場合は、トラブルシューティングに関する書類の作成をアウトプットする必要があります。
i)サービス部品の検討結果
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
この意図は、アセンブリごと丸ごと交換ではコスト面が高いので、アフターマーケットを考慮したサービスパーツなどを定義し、それらをアウトプットすることを意図しています。
j)荷姿・梱包要求
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
これは顧客から要求されることが多く、「梱包仕様書」などで渡されることがほとんどです。
これらに対応した記録を作成し、後工程へのアウトプットにする必要があります。
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足はどこに記載すればいい?
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足は、プロジェクト管理規定の中で、製品設計開発におけるインプット・アウトプット事項について明記し対応することで担保可能です。
このインプット・アウトプットの基本対応はタートル図に示すことでも対応可能なので、プロジェクト管理規定に「製品設計プロセスのタートル図に従い・・・」といった文書を入れておくといいでしょう。
IATF:8.3.5.1に関するFAQ
IATFのメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
設計FMEAは、製品設計におけるリスクを事前に特定し、潜在的な不具合や失敗を防ぐための重要なプロセスだからIATFでは重視しています。特に自動車産業では安全性や信頼性が必要とされるため、設計段階でのFMEA実施が必須となります。これにより、製品の品質と安全性が保証されます。
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⇒【帳票】No.6121-3_設計FMEA
信頼性試験の結果は、設計開発からのアウトプットに含める必要があります。これにより、製品の耐久性や信頼性を確認することができ、顧客の要求に応えることが可能です。信頼性試験は妥当性確認の一環として行われ、IATFでは必須のプロセスとなっています。ただし、信頼性試験に関しては長期耐久性などを調べる点もあり、長期化が予想されるため、そのような場合はプロジェクト管理規定の中でどのように対処するかをあらかじめ決めておくといいですね!
弊社では、プロジェクト管理規定のサンプル規定を販売しております!是非参考にしてみてくださいね。
⇒【規定】No.8111_プロジェクト管理規定:IATF版
特殊特性は、設計FMEAや図面で明示される必要があります。これにより、製造プロセスや品質管理において重要な特性が一貫して管理されることが保証されます。特殊特性の管理には、特殊特性一覧表や関連する記録を保持し、顧客要求との整合性を確認することが重要です。
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⇒【帳票】No.8333_コントロールプラン特殊特性特定表
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足:まとめ
IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足の要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか?
本要求事項もDR:デザインレビューと大きく関係し、製品設計プロセスのタートル図が不可欠なことがわかりますよね!
特に、IATF:8.3.5.1項の設計開発からのアウトプット-補足では、自動車産業顧客への対応の為の要求となり、ISO9001:8.3.5項の強化版といえます。
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それではまた!
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