新春企画のお知らせ

【IATF16949攻略】8.5.1.3:作業の段取り替え検証の要求事項徹底解説!

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、作業の立ち上げ・機種切り替え・材料/部品/設備・治工具の変更に伴う品質トラブル防止に関する要求事項です。

今回の記事は、IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。


この記事を書いた人

品質マネジメントシステム普及の応援が目的のサイトです!「難解な規格を簡単に解説」をモットーに、「ちょっと相談したい」ときに頼りになるコンサルタントを目指しています!まずはお気軽にご連絡ください★

ご利用方法・告知・注意点など

・当サイトの内容は、あくまでも個人の見解です。そのため、保証するものではございません。
・各規格の原文はありません。また、規格番号や題目なども当社の解釈です。
・各規格については、規格公式サイトを必ず確認してください。
・メールコンサルティングは空きが少しあります(2024年12月現在)。この機会に「ちょっと相談」してみませんか?1週間の無料サービス期間を是非ご利用ください。
サービスのお問い合わせはこちら

2025年:新企画始動告知!
メールコンサルティング初回契約:初月50%以上割引
サービス詳細はこちら

・オンラインコンサル/現地コンサルの空き状況について

【現在の空き状況:2025年1月現在】
・平日:6時間以上ご利用で月1回のみ
・夜間:19:30-21:00でご相談承ります
・土日:少々空きあります
オンライン会議システムを利用したコンサル詳細はこちら

第8章:運用についての「要求事項リスト」
ISO・IATF 8章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善

※8.5項~8.7.2項は主に、①製造プロセス②生産管理プロセス③品質管理プロセスが関係します。

条項 題目 ISO9001 IATF
8.5
8.5.1
製造及びサービス提供 〇注記
8.5.1.1 コントロールプラン
8.5.1.2 標準作業-作業者指示書及び目視標準
8.5.1.3 作業の段取り替え検証
8.5.1.4 シャットダウン後の検証
8.5.1.5 TPM
8.5.1.6 生産治工具並びに製造・試験・検査の治工具及び設備の運用管理
8.5.1.7 生産計画
8.5.2 識別及びトレーサビリティ 〇注記
8.5.2.1 識別及びトレーサビリティ-補足
8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物
8.5.4 保存
8.5.4.1 保存-補足
8.5.5 引き渡し後の活動
8.5.5.1 サービスからの情報のフィードバック
8.5.5.2 顧客とのサービス契約
8.5.6 変更の管理
8.5.6.1 変更の管理-補足
8.5.6.1.1 工程管理の一時的変更
8.6 製品及びサービスのリリース
8.6.1 製品及びサービスのリリース-補足
8.6.2 レイアウト検査及び機能試験
8.6.3 外観品目
8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証および受入れ
8.6.5 法令・規制への適合
8.6.6 合否判定基準
8.7
8.7.1
不適合なアウトプットの管理
8.7.1.1 特別採用に対する顧客の正式許可
8.7.1.2 不適合製品の管理-顧客規定のプロセス
8.7.1.3 疑わしい製品の管理
8.7.1.4 手直し製品の管理
8.7.1.5 修理製品の管理
8.7.1.6 顧客への通知
8.7.1.7 不適合製品の廃棄
8.7.2 (不適合製品関連の記録保持)
おすすめ!構築・学習支援に最適教材
【教材】 No.1-001 QMSノウハウ_学習教材
【教材】 No.2-001 コアツール_学習教材
【教材】 No.7-001 内部監査概説_学習教材

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の意味

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項で最も重要なことは、「段取り替え検証」という言葉を正しく理解し、そのルールを構築することです。

段取り替え検証という言葉をまずは理解していきましょう。

段取り替え検証とは?
段取り替え:前回の連続生産から間が途切れて生産を行うこと。
段取り替え検証:前回の生産と今回の生産が問題ないことを検証すること。

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証必須項目

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証①

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証は、5つの対応が必要です。それらの対応は、製造工程管理規定などを作成し、対応表を作って確実に対応された記録を残すことが重要です。

次に、作業の段取り替え検証の要求事項を見ていきましょう。

a)段取り替え検証に該当する項目を決める

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、以下のようなことが大事です。

この要求に対応するためには、段取り替え検証に該当する項目を決める必要があります。例を下記に示すので、参考にしてみてくださいね。

段取り替え検証該当作業例

段取り替え検証項目 内容
製品立ち上げ 新製品の生産開始
機種切り替え 同一生産ライン内での機種切り替え
材料切り替え 材料・部品などを変更して生産
設備・治工具切り替え 設備・治工具を変えての生産切り替え
始業立ち上げ 朝一・昼休み明けなど
休み明け 土日・連休・長期休暇

b)段取り替え要員の為の要領書(作業手順)を作成

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、以下のようなことが大事です。

これは、段取り替え手順書や段取り替え時の記録などが該当します。段取り替え時の記録を何に記録するのかは、審査で確認されますので明確にルール化しましょう。

c)特殊特性工程はSPC必須!

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、以下のようなことが大事です。

段取り替え検証にSPCを使用することで段取り替え前後の変化を確認できるとともに、Cpk管理にもつながるので、特殊特性工程の管理は確実にSPCを使用してください。

【帳票:教材】 No.8513_段取り替え・シャットダウン検証対応表
【規定:教材】 No.8510_製造管理規定

d)機種切り替えに対応した段取り替え検証

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、以下のようなことが大事です。

「望ましい」は、「やる」と解釈してください。

始業はじめ、昼休み休憩明け、終業時の品質検査が必要な工程を特定し、その頻度で確認することが重要です。

その該当工程の検査頻度は必ずコントロールプランに記載してください。そしてその記録は、工程チェックリストなどで確実に記録を残すことが重要です。

またそのデータを基に、段取り替え後(主に機種・部品・材料・設備・治工具切り替え時)のデータと比較し、同様の傾向となっているかを分析してから機種切り替えのリリースを行う必要があります。

e)リリースの承認者を決める

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、以下のようなことが大事です。

段取り替え前後のデータを比較し、問題ないと判断したらリリースとなりますが、そのリリースしてOKと判断する人が誰かを決定する必要があります。一般的には現場の班長さん・主任さんとなりますが、その権限が付与されているかを明確にする必要があります。

その権限は、業務・職位分掌表で権限を与えられていることを記載する必要があります。

関連要求事項

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証はどこに記載すればいい?

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証③

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項は、製造工程管理規定を作成し対応することが求められます。本要求事項は、IATF:8.5.1.4項のシャットダウン後の検証と強い関係があるので、合わせて記載するようにしてください。


品質マネジメントシステムの構築に重要なのは、「要求事項に沿ったルールと記録」の2つです。サンプルを利用して構築をスムーズに進めてみませんか?構築・学習教材として是非ご利用ください!
①規定:サンプルはこちら
②帳票:サンプルはこちら

IATF:8.5.1.3に関するFAQ

メールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非「メールコンサルティングサービス」をご活用くださいね!どんな疑問についても丁重にお答えします!

【IATF16949:FAQ】

IATFの段取り替え検証とは何ですか?

段取り替え検証とは、前回の生産と今回の生産の間に発生する変更(材料・部品・設備・治工具の変更、機種切り替えなど)による品質トラブルを防止するための検証プロセスです。IATFでは、段取り替えのたびに品質を確保するための検証が必須とされています。この検証方法はルール化し、記録を残すことが求められています。

段取り替え検証を効果的に実施するためにはどのような手順が必要ですか?

効果的な段取り替え検証のためには、以下の手順が推奨されます。
1.該当する段取り替え作業の特定
2.段取り替え作業者向けの手順書や記録の準備
3.必要に応じた統計的手法(SPC)の活用
4.機種切り替え時の初品/終品の妥当性確認
5.リリースの承認者の決定と記録の保持

段取り替え検証の記録はどのように管理すれば良いですか?

段取り替え検証の記録は、製造工程管理規定に基づき、明確なフォーマットで管理することが求められます。検証結果や承認者の記録を含め、工程チェックリストやコントロールプランに基づいて文書化し、適切に保存することが重要です。

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証:まとめ

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証②

IATF:8.5.1.3項の作業の段取り替え検証の要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか?作業の段取り替えは、決められたルールを基に行わないとリスクを伴う行為となる為、IATFで強化されている内容です。

本要求事項5つを基に、そのルールを製造工程管理規定に記載しましょう。

シャットダウン検証と一緒に簡単にまとめられる帳票を販売しておりますので、是非ご利用ください。

それではまた!

新感覚のメールコンサルティングサービス
「ちょっと相談」してみませんか?

メールにて有料サポート、簡易コンサルを行うプランです。現地コンサルタントのような顔を突き合わせてのコンサルティングがなく、Emailで24時間好きな時間に質問できるのが特徴です。また、リアルタイムでの対応が無い分、一般的なコンサルタントへ依頼するより 1/100以下のコストで済むという特徴があります。1週間の無料お試し期間がございますので、十分ご納得いただいてからのご利用が可能です!

【サポート内容】
要求事項規格解釈相談OK/品質マニュアルの作成アドバイス/規定の作成アドバイス/帳票の作成アドバイス/運用/構築アドバイス/審査アドバイス/社内認証プロジェクトの進め方アドバイス/社内教育アドバイス内部監査/第二者監査アドバイス/その他気になることなんでもOKです。

品質マネジメントシステム構築・学習支援

ISO9001・IATF16949・VDA6.3対応の教材や規定・帳票サンプルで、規格の理解と実践力を効率的に強化しませんか?わかりやすい解説と具体例を豊富に盛り込んだ教材で、複雑な規格もスムーズに学習・習得可能です。さらに、経験豊富な専門コンサルタントによる「メールコンサルティング」で、認証取得・運用・維持管理の課題を徹底サポート!遠隔対応だからこそ、迅速かつ柔軟に対応できます。初めての導入から継続的改善まで、貴社の品質向上を力強くバックアップいたします。